根上酒造さんでは、お米が持つ個性を生かし、その米でなければ生まれない味わいの日本酒を造り続けています。代表銘柄は「金明」と「鳴鏑」。
今回は根上酒造さんに、こだわりの日本酒と御殿場の魅力についてお聞きしました!
ー「鳴鏑(めいてき)」が誕生するまでのエピソードを教えてください。
近年の気候変動により、従来使っていた酒米が適さなくなることが増え、酒造りの条件も変化しています。そのため、根上酒造では新たな品種を模索しながら、常に最良の米を選んで酒造りを行っています。
そこで、根上酒造では初めての試みとして、地元、御殿場市保土沢で栽培されているコシヒカリ駿河を用いて日本酒「鳴鏑」を作りました。
この日本酒「鳴鏑」は、コシヒカリ駿河を富士山からの湧き水を使って仕込み、静岡酵母を使って醸造された御殿場ならではのこだわりの日本酒です。
コシヒカリ駿河は、静岡大学で開発された品種で、その特長は大粒で加工しやすく、大量に収穫でき、頑健な作物であることです。
根上酒造では基本的に一人で仕込みから製造を行っているため、生産量が少なく今回の「鳴鏑」も含めすべてのお酒が希少なものとなっています。根上酒造では、「鳴鏑」をこれからも改良しながら、地元の特産としての魅力を高めていきたいと考えています。
ー味わいの特徴とこだわりについて教えてください。
「鳴鏑」の味わいは、スッキリとした辛口です。後味が軽やかで飲みやすい一方、香りは豊かで奥行きのある味わいを感じさせます。
このスッキリした味わいは、静岡酵母を使用していることが大きく影響しています。静岡酵母は、静岡県内の酒蔵で広く使われているもので、特に香りがよく、味わいがふくよかな仕上がりになるのが特長です。
この酒は、何にでも合わせやすい万能な日本酒です。和食はもちろん、地域の食材を活かした料理との相性も抜群です。例えば、御殿場の名産である水菜や富士山からの湧き水を使った料理など、シンプルながらも素材の味を引き立てる料理に良く合います。
また、冷やして楽しむだけでなく、熱燗にしても味わいが深まります。
根上酒造では、一般的な日本酒に表示される「磨き度合い」や「日本酒度」についてもこだわりをもっています。精米歩合や日本酒度は酒の味を左右する重要な要素ですが、同時にお客様に先入観を与えてしまうこともあるため、あえて表記しないという選択をしています。
お客様には、味そのものを純粋に楽しんでもらいたいという考え方です。
ーイベントへの期待と御殿場の魅力を聞かせてください。
今回の「富士山ごてんば丼祭り」に出店するにあたり、根上酒造では、多くの方に根上酒造の魅力を知っていただきたいと考えています。
これまでお酒限定のイベントには多く参加してきましたが、今回のように地域の美味しい食べ物とともに楽しめる場は特別なものです。御殿場の美味しい食材、特に水菜や地元の食材と日本酒の相性を感じていただきたいと期待を寄せています。
根上酒造は、地域に根ざした酒造りを続けながらも、「美味い酒を造る」ということを最優先に考えています。お土産として地元産にこだわることも良いですが、何よりもお酒好きには「美味しい」に勝るものはないという信念を持っています。
ー最後に、今後の展望をお願いします。
根上酒造は、今後も地元の食材と共に、日本酒「鳴鏑」をさらに進化させていく予定です。
来年以降も、この挑戦を続けながら、より良い酒を追求していきたいと思っています。
Instagramでの紹介もご覧ください!
根上酒造
店名 | 根上酒造 |
住所 | 静岡県御殿場市保土沢850-4 |
売店営業時間 | 10:00~17:00 |
電話番号 | 0550-89-3555 |
売店定休日 | 土曜日 |