ー 御殿場の茅(かや)文化について
御殿場の茅刈は、かつて地域の生業として重要な役割を果たしていました。しかし、茅葺き屋根の家の減少や時代の変化とともに、1980年代頃から茅産業はゴルフ場用の芝栽培に転換し、伝統的な茅刈の技術や担い手は次第に減少している状況です。高齢化が進む中で冬場のみ活動する刈り手が支えていますが、技術継承や人手不足といった課題が浮き彫りになっています。1
これらの問題を受け、「富士山ごてんば丼ぶりフェス」では茅に対する認知度の向上を目的として茅のワークショップ、オブジェの展示や茅スモークの販売を行いました。
↓「富士山ごてんば丼ぶりフェス」にて、茅のオブジェが建てられる様子
ー 実際に茅(かや)ワークショップを体験してみました!
今回は茅のミニランプとほうきのストラップの手作り体験をさせていただきました。
↓ワークショップの様子
好きな色の紐を2本選んで、茅も23本取ります。私は赤と緑のクリスマスカラーにしました♪
始めに2本の紐を結び、その間に茅を一本挟み紐をクロスさせます。
そして、クロスさせた紐の間に茅を一本挟み、また紐をクロスさせる行為を繰り返します。
(文面だと難しく感じるかもしれませんが、実際にやってみると同じ作業を繰り返すだけなので、簡単に作ることができました!)
※この時、紐をきつくクロスさせると綺麗に出来上がります。
これを繰り返していくと…
動画で茅職人の方が説明されているように、茅の敷物のようなものが出来上がります。
23本全て編み終わったら、キャンドル型のライトに茅を巻き付けた後に紐で結びます。
完成品がこちらです。
茅とキャンドル型ライトが絶妙に調和し、温かみを感じる優しい光を放つランプが完成しました。
制作過程を記録しておらず完成品の写真のみですが、ほうきのストラップも作る事ができます。
ほうきはランプよりも更に簡単に作ることができました。個人的に、ほうきに付ける飾りを選ぶ時間がとても楽しかったです(笑)
ー ワークショップを体験してみた感想
制作前は難しそうに感じましたが、実際にやってみると簡単に作ることができました。それでも、20分はかかったと思います。紐の色やほうきに付けるチャームはバリエーションが豊富で、一緒にワークショップを体験した方と「これも可愛いね」と話しながら選ぶ時間も楽しいひとときでした。御殿場の方々とも交流ができ、有意義な時間を過ごすことができました。このアクティビティは、小学生からご年配の方まで幅広い年齢層が楽しめる内容なので、茅ワークショップを見かけた際には、ぜひ体験してみてください。
ー おまけ (茅スモーク)
「富士山ごてんば丼ぶりフェス」では茅スモークの販売も行われました。
茅チップを使用したスモークを施すことで、ほのかな苦味が加わると共に食材に深みが増し、お酒との相性が抜群の味わいに仕上がります。
↓チーズを巻いたソーセージ
↓チーズ
茅は茅スモークやその他様々な製品等、幅広い使用用途があるだけでなく、環境面においても二酸化炭素の吸収率が高いという長所を持ちます。未知なる可能性を秘めている伝統文化だと思うので、この記事が一人でも多くの人にその魅力を知っていただき、次世代へと繋がるきっかけとなれば幸いです。
- 広報ごてんば GOTEMBA 特集「ユネスコ無形文化遺産に登録 御殿場の茅文化を次世代つなぐ」https://www.city.gotemba.lg.jp/gyousei/kanri/assets/uploads/2021/11/2021.11.20.pdf ↩︎